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【STORY】#23 親友との約束


-----早く結婚した方に、プレゼント贈るなんてどう?

 

高校生の頃、いつものように親友のりんちゃんと一緒に帰り道を歩いているときに何気なく始めた結婚に関する会話。ふたりで互いの未来への妄想を膨らませて楽しんでいた。

 

親友1

 

「ドレスはどんなのが着たい?」

「私ふわっふわのやつ!!」

「ケーキ食べさせあったりしたいよね!」

「わざと大っきなひと口にするんだよね(笑)」

「バージンロードも憧れるよね…」

「やっぱ泣いちゃうのかなぁ」

 

そんな中高生の女子ならば一度は行うであろう他愛もない会話をひと通り経て、茜色に染まった空を見つめながらりんちゃんがぽつりと言った。

 

「私たち、どっちが先に結婚するんだろうね」

 

当時付き合っている彼や好きな人すらいなかった私たちにとって、結婚は夢のまた夢。無限に広がる空の向こうに続く未来を思い、17歳だった私たちはしばらく黙ったまま歩き続けた。

 

そして別れ際、「先に結婚した方にプレゼントを贈る」という約束を交わした。

 

あの日から9年。大学を卒業した後、りんちゃんは印刷会社の事務となり、私は結婚式場でウエディングプランナーとして働いている。

 

17歳だった私たちは26歳になり、恋も仕事もそれなりに経験を積んできた。それでもりんちゃんと私の仲は相変わらずで、休みが合えばふたりで大好きなディズニーランドに行って学生の頃のようにはしゃいでいるし、互いの誕生日も毎年欠かさず祝っている。時には朝まで悩み相談の電話をすることだってある。

 

そんな風に過ごしてきた26歳の夏、りんちゃんの結婚が決まった。

 

親友2

 

「私、結婚するんだ」

 

久しぶりに休みがあい、ふたりがお気に入りの居酒屋でハイボールを2杯飲み終えた後、りんちゃんが少し照れ臭そうにそう告げた。知り合ってもう10年近くになるにも関わらず、肩を丸めてもじもじしていたりんちゃんの姿を今でもはっきりと覚えている。

 

「おめでとう!!!!!」

 

今まで何度も素敵な結婚式の場に立ち会わせてもらってきたが、親友の結婚はやっぱり違う。本当に本当に、心の底から嬉しかった。

 

(りんちゃんに、何かプレゼントを贈らなくちゃ)

 

3杯目のハイボールでお祝いの乾杯をした後、私はふと9年前のあの日の約束を思い出した。りんちゃんは覚えているだろうか。

 

「何をプレゼントしようかな」

 

家に帰ってシャワーを浴びながら、私はりんちゃんへのプレゼントについて考えていた。

 

(あの頃はまさか自分がウェディングプランナーになるなんて思わなかったな)

 

当時のふたりのことを思い出して、自然と頰がゆるむ。そして私は、その夜のうちにあるプレゼントを贈ることを決めた。

 

親友 3

 

「結婚することになったら、絶対みかにお願いするって決めてたの!」

 

ある日の休日、りんちゃんが旦那さんのたけしさんを連れて私が働く結婚式場のブライダルフェアにやってきた。そしてフェアの後の相談会で、目をキラキラさせてふたりの式のプランナーになってほしいとお願いしてきた。

 

まさか私が働く式場でりんちゃんが結婚式を挙げるなんて思ってもみなかったから、嬉しすぎるサプライズに泣き虫な私はふたりの前で泣きそうになった。

 

「でもね、みかにはゲストとしても出席してほしいの。そんなわがままって、許されるのかな…」

 

りんちゃんはそう言って心配そうにこちらを見つめた。

 

ふたりが帰った後すぐに上司に相談して事情を説明したところ「引き継ぎをしっかりやる」ということを条件に、ふたこと返事でふたりの式の担当者となることを快諾してくれた。

 

それから、りんちゃんとたけしさん、そして私の3人での結婚準備が始まった。

 

ふたりの希望は手作りウェディングだったから、大変さは承知の上で招待状、席札、席次表、ウェルカムボードまで全てを手作りすることに決めた。社会人になってからは休みが中々合わずに会える回数が少なくなっていたから、りんちゃんとの打ち合わせは高校時代に戻ったようでとても楽しく、いつもあっという間に過ぎていった。

 

親友4

 

「もう、みかったら、泣くの早すぎ!(笑)」

 

結婚式当日、純白のウエディングドレスを身にまとったりんちゃんがあまりにもきれいで、挨拶のために控え室に入った時点で私の涙腺はすでに崩壊寸前。親友の結婚式に出席できる喜びはこんなにも心温まるものなんだと、今まで以上に結婚式に対する想いが募った瞬間だった。

 

その後挙式、披露宴は順調に進んだ。先輩プランナーにアドバイスをもらいながら、四苦八苦して手作りしたプリザーブドフラワーのウェルカムボードもゲストから大好評だった。

 

そして披露宴終盤、17歳だった私とりんちゃんが交わした約束を9年越しに果たすときが訪れた。司会者からのアナウンスの後、スクリーンに映像が映し出される。

 

親友5

 

舞台はふたりの青春が詰まった懐かしい高校。みんなでよくお昼ごはんを食べていた場所、汗を流して頑張った体育祭が行われた運動場、お弁当の時間を待ちきれずにパンを買いに足繁く通った売店の前、そして数え切れないほどの思い出が詰まった教室。

 

それぞれの場所で、高校時代の友人たちからりんちゃんとたけしさんへのお祝いメッセージが贈られた。そしてすべての友人からのメッセージが終了した後、

 

「りん、これからもずーっとよろしくね!」

 

真っ暗になった画面から出てきたのは新郎のたけしさん。照れ臭そうにしながらもその目は真っ直ぐ正面を見つめ、りんちゃんに対するストレートな気持ちを口にした。

 

懐かしい面々からのメッセージに加えて、懐かしい校舎の映像、そして口下手なたけしさんからの思ってもみなかったメッセージにりんちゃんは大感動。

 

そんなりんちゃんの様子を見た私は、高校時代の友人と目を合わせ「大成功!」とニヤリ。私にとっても、りんちゃんとの思い出を改めて振り返ることができたサプライズとなった。

 

9年前、高校の帰り道に交わした「早く結婚した方にプレゼントね!」の約束。

 

私はりんちゃんへ、“みんなからの祝福の想い”をプレゼントとして贈った。

 

りんちゃん喜んでくれて、本当によかったな----。

 

結婚のプレゼントを贈ることになったのは私の方だけど、ウエディングプランナーとしてのこの上ない幸せを、りんちゃんは私に贈ってくれた。

 

まさか自分が親友の結婚式をお手伝いすることになるなんて、あの頃は夢にも思わなかったけど。

 

結婚式を終えた後も、この満たされた幸せの余韻はしばらく続きそうだ。

Author Profile

Fukino
Fukino
沖縄生まれ、沖縄育ち。気づけば東京生活10年以上。ファッション誌、ブライダル情報誌の編集を経て現在フリーとして活動中。人、旅、自然が好き。

[ 【STORY】#23 親友との約束 ]ストーリーズ, , 2016/08/16 18:00